ジャパーニーズフリーウェイ臨海線の覇者 失脚
連日 通勤やらツーリングなどでバイクを乗り回し、腕の日焼けが半端ないことになり、両腕にファミチキを移植したかのような色に変わって来た頃 人生最大のピンチを迎える
シャア専用と言わんばかりのNinjyaが付いてくるではないか
パッシングとは
6月18日 梅雨という季節もありながらも太陽燦々 THE SENTAKUMONO日和を迎え、日中を通し素晴らしい天気となった
天気も良いこともあり、己の鍛えられた二の腕のみが唯一のプロテクター 「タンクトップ」を装備し、176を駆け抜ける
バイク乗りからしたら、いつ命を落としてもおかしくない服装である
清水の平均速度は本人意識ではあるが、恐らく50キロ しかし、メーターを覗き込めば常に70を振り切っている
単気筒エンジン特有のトコトコ音、我が身を大事とも思えない 布一枚の成人男性が通勤時間を1時間切る勢いで近づいてきた場合 確実に清水だと思ってフェイントをかけて前に出てきてもらいたい
腕が血で覆われ 人間と思えない声で呻きながら、熱で温められた道路上で瀕死寸前で横たわっているであろう
清水の殺し方はさておき
176を駆け抜け 43号線の市内 通勤ラッシュを切り抜け、29号線に躍り出る
こここらはひたすら一本道なので、気分もあがり 自ずとスピードもあがる
すると後ろから
「むむっ」
これほど速いバイクがトリッカーを抜かさず、煽るようにべったりと付いてくる
ただゆっくり走っていたバイクを勝手に煽りと決めつけ、勝手に「逆鱗に触れやがった」と呟いた清水は 完全に戦闘モード
「トリッカーなめんじゃねえぞおおおおぉぉぉおおぉぉぉおお!!!!!!!!!!!!」
固定していたアクセルを目一杯に捻り、圧倒的スピードでニンジャを置いていく
サイドミラーでうつるニンジャは完全に点になり、次第に清水の目視からも姿を消す
勝った…勝った
勝利の余韻に浸り 自分のメーターを見つめ90キロを出ていることを確認し、このまま29号線を駆け抜ける
と思っていた時 対向車のトラックがピカピカ パッシングをしているではないか
「おいおい朝から煽るなよw ライト付ける時間にしても速いぞwww ……ん?…ハッ!!!!」
清水の脳内に稲妻が走り、閃光の勢いでブレーキに手をかける
「ネズミ捕りじゃぁぁあぁぁああああああああああ」
車を運転していると時おり他の車が前からや後ろから、ヘッドライトのハイビームをちかちかと点滅してくることがあります。 このパッシングライトは教習所で習う正しい意味とは別に、慣習や暗黙の了解的に使われていることがほとんどですが、その中に「警察のネズミ捕りを対向車に知らせる」という意味があります。
対向車のパッシング、清水早急なブレーキも間に合わず
「ピピー!ピピー! ハイ止まって〜〜!!!」
国家権力三人衆に囲まれ 清水なす術もなく確保
話がタンタンと進み、40キロ道路で32キロオーバーの72キロで逮捕。
免許を奪われ不名誉の赤切符を渡され6点の加点が科され一発免停
あまりにも 唐突で実感がわかない自分は
「おけーす!おけーす!」と 上司の戯言を受け流す様に返事を行っていた
免許と引き換えに不名誉な赤切符が発行され絶望の底へと一気に堕とされた
前歴無しの30キロオーバー ネットの調べではあるが
恐らく罰金は5万円 初心者講習・処分停止者講習を含めると10万円は飛んでいく
15万の請求もあり、6月の給料と夏のボーナスとはおさらばだ
清水の夏は迎えていないが、夏はここで終わるであろう
次回 「初の行政処分〜裁判所に行くぞ♪〜」
お楽しみに!