肥溜めストロベリーミックス

twitterで書ききれない思いを家の微弱なWi-Fiに乗せて届けます

WANTED from 教習所

人間の宝石箱と言えば""教習所""

そこで出会ったthe 癖な人のお話

現在、中型二輪免許取得の為に 市内の某ドライビングスクールに通っている。
その日の教習項目はセット教習、シュミレーションと言われる、ゲームセンターに置いてあるものより100倍B級な機械で仮想公道を作り出し、あらゆる危険予測、回避を練習する。


ゲーム機と言えど しっかりミッション車になっており、ギアはもちろんクラッチ、指示器まで付いてる。車の様に教官を横に乗せ、公道を走る練習はまったくバイク教習にはないので、このようなシュミレーターが生まれた(憶測)


しかし、このシュミレーター 一癖も二癖もあり、コンピュータの車がなんの前触れもなく猛スピードで突っ込んでき、指示器を右折の0.1秒前に出してヘアピンカーブも屁でもないような直角90度で曲がってくる。

それをいち早く察知し、回避なり停止をし 事故を未然に防ぎ 目的地まで行くのが、今回このシュミレーターだ。



教習開始5分前 鉛のように重い足で、階段を上がり4階にあるシュミレーター室前に到着。

その瞬間


「こんにちはっす!今日はよろしくお願いします!」

 



と声をかけてくる1人の男


彼の名は【森村】 レスラーのようなガッチリとした身体、山籠りから帰ってきた愚地独歩のようなオーラそして無精髭。



ただものではない…


と思ったが思いの外、気さくで人見知りなどなく教習開始まで楽しく会話をした。


するともう1人の男が到着

彼の名は【山口】 風貌から大企業に勤めているかのようなキッチリとしたスーツ、デキる男風だ。



そんな3人で教習スタートであり、教官が来て軽く挨拶を交わし、緊張をほぐすかのようにバイクについて喋り始めた。


教官「みなさん、どんなバイクを乗られる予定ですか?」

実は 森村、山口は中型二輪免許は既に所持しており、大型二輪免許取得の為に今回また教習所に通い始めたのだ。


森村が口を開ける「あっ、ハイ!私は大型を取った暁には【アフリカ ツイン】に乗りたいと思います!」

教官「おぉ〜、これはマニアックな」


【アフリカツイン】とは、

 

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ホンダから製造販売されており、正式名称はCRF1000L Africa Twin 「どこへでも行ける」をコンセプトとし、排気量 998cc 車両重量228kgを持つモンスターオブモンスターなのである。

実際 大阪モーターサイクルショーで跨いでみたが、超デカい。ラオウの黒王号に乗るような気分であった。

 

 

 


教官「山口さんは何に乗るおつもりですか?」

山口「もう 【ハーレー】買いまして、お店に置いて貰ってますね笑」


俺・森村「すげー!」


名前を言えば誰もが知っているだろう アメリカンオブアメリカン 【ハーレーダビッドソン】を…


ハーレーダビッドソンとは、

 

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今や世界にその名を轟かせる“キング・オブ・モーターサイクル”ことハーレーダビッドソン
250ccクラスの小型スクーターも過去に販売していた。
また、ほぼ全てが1000cc以上の排気量なので、大型自動二輪の免許が必要であり、車体そのものも高価であるため、バイクの最高峰といわれている

これも モーターサイクルショーで跨いでみたが かっこいい…。男のロマンと言葉が感じる一品ではないだろうか。

 

 

 



教官「清水さんは?」

俺「…【トリッカー】です。」


清水の声に少し張りがない。。。。。言うまでもない

ここで一旦トリッカーの説明


【トリッカー】とは、

 

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ヤマハが製造している 250ccのオフロードバイク、どんな場所でも、どんな乗り方でも、気軽に楽しめる「フリーライド・プレイバイク」というコンセプトとし 小柄で軽く扱いやすい実に楽しいバイクである。


ここで想像できるであろうか、


カイオーガグラードンに挟まれたイーブイの姿を…。

 

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圧倒的排気量差 値段も恐らくトリッカーの4倍

そんなバケモンから放たれる無慈悲のはかいこうせん

イーブイの絶命は言うまでもない






そして、アフリカ森村ハーレー山口イーブイ清水は本題のシュミレーターへと移る



教官「では、最初に森村さんお願いします」

アフリカ森村が渾身の返事をしシュミレーター開始である

ゲームではあるが、大型二輪大型二輪用に設定されており、中型二輪よりスピードが違う。


快適とは言えないが グングン進んで行くアフリカ森村、歩行者、バイク、車などを順調に避け 課題をこなしていく。


そんな中 救急車の登場、アフリカ森村 若干のパニックに陥るも なんとかうまく道を譲り クリア


安堵しきった顔で道を進んで行くと またもや救急車  登場。

すると




アフリカ森村「またですかアァアアア!!!!」



突然の大声


皮肉なものに救急車二連発に森村の心は病院送り手前である。

その後 目的地に着き


「救急車…救急車…。」


とボヤきながら彼は自分の席に戻って行ったのだ。


清水ドン引きの中、次はハーレー山口の番だ


お、


お、おお! サマになっている!!!シュミレーター車ではあるが 山口が乗るとめちゃくちゃカッコよく見える。


こいつはできる…!など思いつつ山口の運転を見守る

 

 


ガチャガチャ



キュキュキュキュー
 

ドルルルルル

 


ブオォォォォォォォォオオーーーン!!!!!!!!!






山口、速い!速すぎる!!!!
シュミレーターと言えど、ここまでアクセルを捻るものがいただろうか

彼は危険予測など忘れ、ハイスピードでバーチャル世界を駆け巡り、ネットサーフィンならぬネットツーリングをかましているのだ。


「このままじゃ 急に飛び出してきた人を避けきれずはねてしまう」と思った瞬間、

見通しの悪い曲がり角から、自転車が飛び出してきた




「うわ!」


と山口の声が聞こえたと同時に自転車と衝突。

完全に即死である

実は山口の番の前に自分が既に体験しており、人を1人殺めた後だったのだ。
しかし、バーチャルと言えど、合法的に殺れるとしても、どこか罪悪感を感じ、「次はもっとゆっくり行ってみよう。」と思い事故が減るのだ。



山口も次の発進からゆっくりとしたスピードでいくんだろうな と 自分の事故を思い出しながら、山口の画面を見た





ブオオオオオオォォン!!!!!!




な、なんという事だ、彼は殺めてしまった罪悪感に包み込まれる事なく、「バイクでの失敗はバイクで取り返す」と言わんばかりにアクセルを捻っている

先程の道よりだいぶ広く 対向車も来ない。山口の興奮は高まり、さらにアクセルを捻る、捻る、捻る、すると車道を左寄りで走る自転車が遠くから見える。

山口もそれを確認し、前回と同じ失敗は繰り返さないと意思表示するように バイクを中央に寄せ 大きく避けた。



しかし、四六時中 人間の妨害に快感を覚え、泥沼という名の欲望から抜け出せなくなったシュミレーター自転車は 山口のファインプレーに臆する事なく、まさかの

大横断!!!!!!!!


針穴に糸を通すようなタイミングで、自転車は山口のバイクの前に現れ、、、、、、、、




ガシャーーーーーン




俺「(・・・あ〜、また殺ってしまったか)」


山口「アハハ! またやっちゃった!」





????!!!!!!!!!!






笑っているだと… なぜ人を轢き笑っていられるのだ…





そうか、、、彼は間髪入れる間も無く 2人の命を奪い、死体から尻子玉を啜り 【殺人】と言う名の禁忌に溺れ 快楽殺人者(シリアルキラー)と変貌してしまったのだ

こうなってしまった以上 彼を止める術はなく、教官は貸した手袋が血に染まる様を膝を抱えガタガタ震えながら見守るしかない。



シリアルキラー山口の運転は続き、我々は恐ろしいものを目撃してしまう




世紀のビックマッチ


洗礼された無駄のない長方形は自信の表れ 実力もさることながら、NOブレーキNO指示器は当たり前 遠心力に中指を立て魅せるは直角90度右左折
公道界のマリア・ウォール 8tトラックゥゥゥゥゥゥゥーー!!!!!


に対しますは



甘いフェイスに隠れた内なる狂気 殺した数は数多も知れず、闇夜に紛れ 血肉を啜り 孤独の慟哭誰にも届かず。ジャパニーズフリーウェイの死神 シリアルキラー山口ィィィィィィーー!!!!!!




なんということだ ここまでビックマッチな戦いがあっただろうか


メイウェザーVSパッキャオ 並みの興奮を覚える

公道を賭けた彼らの闘いにファイトマネーなどなく 己の"命-タマ-"のみを賭けたガチタイマン



先に仕掛けたのは、8tトラック。


シリアルキラー山口の前方を走り続けるのかと思えば、交差点直前、急な進路変更で二車線の道路がほぼトラックで覆われる。

しかし、左側に空いた僅かな隙間を見つけ、臆すことなく直進する山口。


トラック側の思わぬ盲点

一般人ならこんな隙間を直進しようとはせず、大人しくトラックの後ろで停車し、十分な広さができてから直進する。

しかし、相手はあの山口、コンピューター・人間が考え付く、並みの理論 価値観では、殺人で侵され、蝕まれた脳みそを計りはできない。




そして、




はなから山口は目の前のトラックなどに目もくれてなかった。


「トラックの向こう側に俺の獲物がいる」


そう彼の目から感じ取れた。


トラックを抜け スピードをMAXにあげる山口
トラックに隠れ見えずにいたバイクもスピードを上げ右折



お互いが磁石のS極・N極の様に巡り合い、鈍い音をたてながら彼らは一つになるのだ。



ドンッ




山口は何事も無かったようにエンジンをかけ再び発進。

慣れた我々も何も驚かなくなった。


そこからの山口の運転は平常を取り戻したかの様な走行で順調に進んでいった。


我々は気づいていなかったのである。善意の裏で膨れ上がる巨悪なる闇を…。




ある道で対向車(クレヨンしんちゃんの野原家が所有しているような深緑のセダンタイプ)が停車している車を右に膨くらみながら避けようとしている


ここで山口 突然 速度を上げ 野原家の車近づいている!!!
いつもと様子が違う。山口は偶然の出来事は必ず事故るのだが、自ら故意に事故を起こす事はない。




ダメだ!また当たると思った瞬間

山口はギリギリで左に避け、近づいてきてビックリした野原家も猛烈に左に避けたが スピードがでていたせいか


キキッーーーーー!!!!!ガシャン

 

 

 



「父ちゃん!アクション仮面のショーが始まってしまうぞ!」

「おーし!父ちゃんに任せとけ!」

「ダメよ あなた!しんちゃんもひまも乗ってるんだから安全に行ってよね」

「たい、たい!」

「大丈夫だって、ここら辺の道はいつも空いてんだよ、、、、」

 

 

 

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や、や、や、山口ィィィィーーーー!!!!!!



偶然の事故ならまだわかる、しかし いまお前は確実に計算し事故を図った


それもあんなに微笑ましい国民的人気アニメの家族を………














そして 教習が終わり 渡すべきではないハンコの押された原簿と共に山口は消えていった


彼はこのまま大型免許を取得し、ハーレーに乗り、公道に出る




彼を止めなければ、この世界に平和と安寧はない。










そう思った清水は、その後の教習で同じ教官に当たり、山口の分までミッチリしごかれたのであった